ようこそ、お待ちしていましたよ。と正しく言いましょう。ミス多発地帯です！
いらっしゃい！ようこそ！お待ちしていましたよ！
初級、中級で習っているはずなのですが、私の勤める外資系企業でもかなり耳にする間違いです。聞いているほうはちょっとだけハラハラします。
シチュエーション: 海外のオフィスから日本に出張でやってくる同僚をオフィスで待ち構えている日本人、田中さん。予定時刻より20分くらい過ぎているところに、海外の同僚 Austin が到着する。
- Tanaka san: Hi, Austin! Welcome to Japan office! I was waiting for you!!!
- Austin: Oh, I am sorry, the traffic was heavy. Nice to meet you in person finally!
本当に多くの人が言ってしまっている、I was waiting for you. 「待っていた」としたら文法的には現在完了進行形 I’ve been waiting for you. が正しいですが、そもそもここで wait はまずいです。「待たされて不快だよ」「どんだけ待たせるんだよ」という印象を与えます。だから Austin は I’m sorry と第一声で言っています。
Tanaka さんは満面の笑みで迎えていますし、怒っているようには見えませんので問題になることはまずありませんが、ゲストにいきなり I’m sorry と言わせるのはかわいそうだなと思ってみています。
残念ながら、会社の外で待ち合わせなどする場合にも、こういった間違いはよく耳にします。誰かに対して wait していたよと直接言わないようにしましょう。
お待ちしていましたよ、はこう言いましょう
- Tanaka san: Hi Austin! Welcome to Japan! I’ve been expecting you!!
- Austin: Hi Tanaka san, thank you! It is pleasure to meet you in person! I am very happy to be in Japan!
Expect は日本人にとって、あまりピンとこないかもしれませんが、ここでの expect は、
「あなたが来るのを知っていたので、今か今かと近い未来に起こる（あなたが来るという）好ましいできことをずっと頭のなかで描いていた、喜んで待っていた」というとてもポジティブな意味です。
日本語の「期待する」という単語はピンとこないし、確かにしっくりこないですが、ここはひとつ expect しかないと思って覚えてほしいです。
もし、どうしても wait を使いたいならばこんな方法があります。日本語での「お待ちしてましたよ」は別の言い方をすると、「あなたの到着が待ちきれなかった」ということだと思います。
- I couldn’t wait for you to arrive! でもいいかなと思いますがどうでしょうか。
もし expect が出てこなかったら、そのまま直訳で言うほうが誤解はないと思います。
妊婦さん
妊婦さんも、baby を expect すると言いますよね。関東にお住まいの方ならば、Expecting mothers という単語は東京の地下鉄などでのアナウンスで expecting mothers に席を譲りましょう、と使われていますからなじみがあるかもしれません。好ましい状況が起こるとわかっていて待っている状態ですね。
- She is expecting a baby! 彼女、お腹に赤ちゃんがいるんですよ！
expect はポジティブな単語です。
まとめ
英語の落とし穴は色々なところにあります。気が付ければラッキーですが、なかなか気が付くのは難しいですよね。ネイティブスピーカーの方も意思疎通ができているのにわざわざミスを指摘して下さるかたは殆どいません。また、外国人は細かいことを気にしない、あるいは寛容な方が全体的に多いと思います。
ですから、私たち英語を学んでいる人は、相手の顔色がすこし変わるとか、相手があれ？という表情になったりする場面を見逃さないように、耳をダンボに、目をネコ娘にして注意しておくことが役立ちます。
また、英単語にはポジティブな単語、ネガティブな単語、ニュートラルな単語、どちらともとれる単語があります。日本語訳に引きずられると見落としがちですし、なかなか難しいですが、「この単語はどちらかな？」と注意する気持ちがあるとずいぶん違いが出てきますよ。
少しでも皆さんのお役に立てれば本当にうれしいです。
