外資系から外資系へは単純じゃない

外資系という呼び方、ひとつで足りない

外資系企業とひとことで言っても、本当にさまざまな会社があると思います。当然、外資系企業と呼ばれるのは資本的に外資なのかどうかで決まるのだと思いますが、就職、転職を考える人が「外資系」と言う場合、それは「英語が必要な職場」「外国人がいる職場」「海外に本社がある会社」「インターナショナルな環境にある職場」「給料が高めの会社」などのイメージを浮かべる方が多いでしょう。

外資系”というひとつの言葉ではまったく表現できないバリエーションが存在します。

もしあなたが外資系で働くことをご検討されているならば、面接の際に、業務について以上に会社の雰囲気、文化、職場環境などをできるだけたくさん質問することをおすすめします。実際には就職してみないとわからないというリスクはありますけれど、毎日の大半をつかう職場ですから、職場環境は色々な質問を事前に考えてしっかり確認したいところです。”

これまで勤務してきた外資系企業の環境を振り返る

企業その1:駅前留学的 but 応用性低 たしかに外資系。上司はフランス人、同僚も半分はフランス人。フランス人の同僚はフランス語しかできない。お客様は日本人が半分、外国人が半分。普段使うのは半分フランス語、半分日本語。日常で海外とのやり取りはなし。

企業その2:日本にいながらブートキャンプ but 英語の成長には限界アリ たしかに外資系。本社はヨーロッパ。上司はスイス人、同僚は全員日本人。お客様は90%日本人。普段使うのは70%日本語、30%英語。ただし、ネイティブな英語話者はいなかったので、全員外国語としての英語で会話。日常での海外とのやり取りは月に数回。英語に慣れるには申し分ない環境。ただ、誰も完璧な英語を話さないという意味で英語上達への限界はあり。

企業その3:完全に日本企業  たしかに100%外資系。本社はアメリカ。上司も同僚も全員日本人。お客様も100%日本企業。普段使うのは95%日本語。残りの5%はときどき英語でのメールを書いたり、書類を英語に翻訳する作業。日常での海外とのやりとりは毎日のようにあったが、ほぼすべて日本語。日本企業で働くのと同じ。

企業その4: 本気の駅前留学 but 本当に日本が恋しくなる たしかに外資系。本社は中国。上司は英語のできない中国人。同僚は80%中国人だが皆さん日本語が上手。お客様は100%日本人。普段使うのは日本語65%、中国語25%、英語5%、という感じ。イントラは英語と中国語。文化的にやはり共産主義ベースなのであらゆることが新鮮。楽しめるうちはゲームのように面白いが、うっかり地雷を踏むと大変なことになる。

企業その5:日本にいながら外国の文化圏で働くイメージがしっくりくるNo.1  ほんとに外資系。本社はアメリカ。上司は外国人。同僚はほとんど日本人だが、海外の同僚とのやりとりが多い。お客様は日本人。普段使うのは日本語60%、英語40%だが、英語で話す相手は90%がネイティブスピーカーなので毎日英語について新しい発見があり、少しずつではあるが確実にレベルは上がってくる。日常での海外とのやりとりは毎日のようにある。イントラもすべて英語。「はい。外資系で働いています」と胸を張って言いやすい環境。

お好みの濃さは?深入り、浅煎り、、それともアメリカン?

たった私ひとりの経験だけでもこんなに色々な”外資系”があるのですから、世間にはその何百倍もの”外資系”バリエーションがあることでしょう。

ひとによって”どのくらいの濃さ”の外資系を希望しているかはとうぜん異なると思います。上記の企業その5がいいな、と思う方もいるかもしれませんが、企業その5については文化的、考え方、マインドセット、あらゆる面で日本からいったん離れて客観的な視点や柔軟な考え方が求められるので、英語がうまくてもカルチャー的にぜんぜん馴染めない方もいれば、考え方はなじめるのに英語のレベルが足りないために気づかないうちに大事なディスカッションからは外されているというケースもあるように思います。自分に合えば超楽しい職場、合わなければ辛いかもしれません。

正直よい案は浮かばないのですが、だれか画期的な呼び方または種類分けチャートを作ってくれないかな、と思う今日この頃でした。

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