お客様、ことばの違いははっきりしていますか? Customer & Client
知っている単語、でも使い分けちゃんとできている?
と質問されると「うーん、自信ないかも」という単語がありますよね。誰にでもありますし、日本語でもそういう単語はあります。私もたくさんあると思うのですが、急に思い出せないのがそういう単語の特徴です。ちょっと気が付いたとき、気になった時にひとつずつクリアしてスッキリしてみたいと思います。
今日は、Customer と Client について整理したいと思います。
Customer と Client
昔、私は customer のほうが身近な感じがして、client のほうがちょっとかしこまってるいるかな、といった程度の印象しか持っていませんでした。私たちがぱっと思い浮かべる意味をみてみましょう。
- Customer: 顧客、得意先、取引先
- Client: 顧客、依頼人、お得意様
意味として浮かぶのはだいたいこのくらいではないかと思います。どちらも似ています。どちらでもよいように感じますね。実際に覚えておくとよい違いは以下のとおりです。
- Customer: お金を払って、単純にモノやサービスを受け取る人
- Client: お金を払って、専門的な知識やサービスの提供を受ける人
この二つの単語は、ネイティブの方々でも確実に使い分けているわけではないようなので、間違えても問題にはなりません。ただ、知っておくとより正確に話すことができますし、なにより自分のなかでスッキリしますね。
- Customer: スーパーで買いものをする人、本屋で本を買う人、レストランで食事をする人、バーで飲んでいる人、など
- Client: カウンセリングを受ける人、弁護士にアドバイスをもらう人、会計士に確定申告をお願いする人、など
日本語の「お客様」
日本人はおもてなしの民族なので、「お客様」という単語が大好きだと思います。英語でもかなりの場合で「お客様」は customer や client で表現できると思いますが、実際にはダイレクトに「お客様」という単語を使わないことも多くあります。
いろいろな「お客様」の例をあげてみます。
- 遊園地にくるお客様 visitor
- 映画館にくるお客様 audience
- ホテルに宿泊するお客様 guest
- スーパーなどで買い物をするお客様 shopper とも言います。
- 飛行機や電車に乗るお客様 traveler, passenger でもあり、guest でもあります。
- ジムやエステにくるお客様は user や member
- 美容院にくるお客様は customer です。(専門技術ですが、誰にも同じように提供します)user もいいと思います。とらえ方次第かもしれません。
- 美容整形にくるお客様はちょっと難しいですが、patient でしょう。
- 会社に来訪するお客様 customerのこともあれば、client のこともあり、visitor であり guest でもあります。
Clientele
Client に似た言葉で clientele があります。顧客、常連、という意味ですが、ほとんどの場合は個別のお客様を指すのではなく、顧客全体、常連客全体、あるいは利用者全体、を指して使われます。
Cambridge Dictionary にはこのように説明されています。
- All the customers of a business when they are considered as a group
記事の見出しとして使われている clientele を紹介します。
- Amazon AWS teams up with MGM, bolsters cloud clientele (Yahoo Finance)
まとめ
今回は Customer と Client の違いを少しでも感じていただけたら嬉しいと思います。今後の会話に活かしていけたらいいですね。また、「お客様」とひとくくりにしないで、「お客様」が来店、来訪、利用、する場面をイメージしてから、よさそうな英単語を選んでいけたらと思います。
少しでも皆さんのお役に立てれば本当にうれしいです。