日本語から英語にするときのコツ 伝えたい日本語をまず分析してみよう
日英翻訳はむずかしい
英語から日本語に訳すより、日本語から英語に訳すほうが圧倒的に難しいですよね。英語が母国語でないのだから、自然な表現やピッタリな表現をうまくあてはめるのが難しいのは当たり前でしょう。さらに、日本語は英語と比較すると文法的にもぜんぜん発想が異なる言語ですから、さらに難しくて「うーん」と考えてしまうこともありますよね。
なぜ日本語から英語に訳すのがむずかしいのか
なぜ日本語から英語に訳すのが難しいのかを考えてみます。たとえば、「これはペンです。」は英語にするのは簡単です。This is a pen! そのままですからね。一方で、「うまくいくといいね」「気に入るといいな」といった日本語は訳しにくいタイプの日本語だと思います。理由は、誰が、何を、どうする、が見えないからです。
日本人同士で日本語の会話をしていれば、文脈や状況から理解できますが、日本語を学習する外国人にとってもこの手の日本語は非常に難しいそうです。
どうしたらよいか
日本語の言葉に枝葉をつけていきましょう。逆に分解、と言ってもいいのかもしれません。「うまくいくといいね」という言葉を使う状況から、誰の、何が、どのようになると、どう思う にあてはめてみてください。
状況設定例:入国管理局にビザを申請してきた、という友達に対して
- I hope you’ll get the visa soon! あなたがビザを取れると望みます → うまくいくといいね
- I hope the process will go smoothly. 申請プロセスがスムーズに進むと願います → うまくいくといいね
状況設定例:プレゼントをあげた相手に対して
- I hope you’ll like it. 決まり文句なので、考えなくてもこのセリフが浮かびますね。誰が、何を、望んでいるか、がはっきりしています。→ 気に入るといいな。
要するに、日本語的な主語や目的語がないような言葉だった場合は、冷静に主語、動詞、目的語、は何かを考えてみるとスムーズです。
ちょっと脱線「うまくいくといいね」
- I will keep my fingers crossed. 望みどおりいくよう祈っています
この表現は日本語の「うまくいくといいね」にちょっと近い印象も多少受けると思いますが、使う場面を選んだほうがよいと感じます。自分でコントロールできないようなことに対して、本当に祈っておきたいような場面で使うことが多いです。試験を受ける前の人にとか、面接を控えてドキドキしている人にとか、大きな商談にこれから臨む人にとか、ちょっと重要でうまくいくかわからないことに対して使うほうが自然だと思います。
例えば、、、
- Aさん:I’ve prepared a lot for today’s presentation and I am quite confident of doing it right.
- Bさん:I am sure you’ll have a great presentation.
もしこんな場面でBさんが日本語的発想で「うまくいくといいね」”I’ll keep my fingers crossed.”というと、なんだかあまりAさんの実力を信じてないのかという印象を与える可能性があります。自信満々だと言っている人に対して言うセリフとしては、ダメとは言えないですが、いまひとつかもしれません。言い方や口調や関係性にもよりますけれど、こんな時ならGood luck! くらいがいいかもしれません。
ご参考までに
以前投稿しました「とりあえず」というような言葉も様々な意味にとれますので、訳しにくい言葉のひとつだと思います。ご興味があれば、「とりあえずって英語でなんて言うの?」の投稿もご覧ください。
少しでも皆さんのお役に立てれば本当にうれしいです。