おとなの語学学習 超!特別な経験ができるのは期間限定 楽しめれば語学にはまる?

期間限定!語学学習でいちばん面白いときは?

語学を学習していて一番おもしろい時期、楽しい時期はいつですか。

  • 少し話せるようになった時?
  • 外国人の友達ができた時?
  • ペラペラになって友達から羨望のまなざしを受けたとき?

私の場合ですが、いくつかの言語を学んできましたが、どの言語も「まったく理解できない時期」がいちばん面白かったです。

 

「理解できなくて何がおもしろいの?」

と思われるかもしれませんが、視点を変えるとこんなユニークな経験はないですよ。

子供のころから日本語が話せて、周りの大人や子供の言葉を理解して生活してくるわけですが、言葉がわからなかったのは赤ちゃんのときの短い期間だけです。もちろん、赤ちゃんだったときに何をどうやって感じていたかはほとんどの人は覚えていないです。その感覚をちょっとだけ体験できるかもしれないのが語学習得のプロセスだと思うのです。

大人になって、全く知らない言語を学ぶときには、言語情報ゼロから始められます。シンプルに音としてしか入ってこない。ロシア語とかアラビア語とか読むこともできない言語なら、視覚からも何も入ってこないですよね。でも、ひとの気持ち、思いやり、感情、熱意、意思優しさ、怒り、悲しみ、驚き、などは聴覚や視覚以外からも伝わってくるはずです。それを少しでも感じようとすると、頭のなかで気持ちセンサーみたいなところがいつも以上に働くように思うのです。

普段から人の気持ちに敏感な人、鈍感な人、がいると思いますが、同じ場所が活発/鈍い のかなあ?聴覚や視覚などに障害をお持ちの方々が鋭い感覚を持っていることがあると思いますが、もしかしたら似ているのかな?と思ったりもします。

つまり、言語としてまったく理解できない段階は、ふだん意識しない感覚を意識することができる、楽しい時期だと思っています。

 

中国での体験

私はまだ中国語がぜんぜんわからない時に、3カ月ほど中国に滞在しました。長い夏休みのようなときで、仕事ではなく自由人として行きました。北京大学での中国語短期講座に参加して、住まいは大学内の外国人用学生寮でした。途中で環境を変えるために、北京師範大学に移りました。学生寮を希望したのですが寮の建物が工事中だったため指定されたホテルに滞在しました。

寮でもホテルでも、コンシエルジュのような方にいろいろとお願いしたり、指示を受けたりということがありましたが、言語での意思疎通はほぼゼロでしたから何もわからず大変でした。大学の短期講座に通っていましたが、英語と違って音がまったくわかりませんし、正しく発音することができませんでした。中国語はカタカナ発音してもほとんど通じません。中国語なので文字が読めるという残念なメリットはありましたが、基本的に人の話している言葉は殆どわかりませんでしたし、私が言いたい言葉は通じないという状態でした。

そんな時、自分ではなんとかテレパシーで伝えようとか、相手の脳内に入り込もう,的な気持ちで、全集中して相手の理解に努めました。時には、「私はこの国で生まれたんだ。そのうち皆の言ってることが必ずわかるようになるはず。」と思いながら生活していました。そうすると不思議なことに、言葉はわからなくてもわかること、ってたくさんあることに気が付きました。結局、言語はたくさんあるコミュニケーションツールのなかの一部でしかないな、と実感した思い出です。

ちょっと感覚的な話になってしまいました。

 

音が言葉になるまでの順序

私が思う、自分にとって未知の音が言語になるまでの順番はこんなイメージです。

  1. ただの雑音
  2. 音、であると認識する
  3. 音楽のようにリズムや上がり下がりがある
  4. 明るい音や暗い音がある
  5. 音楽だけど、途切れている音の集合だと気づけるようになる
  6. 途切れている音には長いものも短いものもある
  7. 大きな区切り=文章の区切りがわかるようになる
  8. 短い区切り=単語の区切りだとわかるようになる
  9. 何度も出てくる同じ音(単語)に気が付くようになる
  10. よく出る単語の意味が少しずつわかる
  11. 文章の意味が少しずつわかる
  12. 全体の意味がわかるようになる

9くらいにたどり着くと、ある意味つまらなくなります。その辺で言語になり始めるからです。はじめはだったものが、音楽になり、音楽だったものが、音楽+クイズ、になります。クイズが始まったらそれはもう言語です。

当たり前なのですが、どの言語もいったん意味がわかるようになってしまったらただの言葉、になってしまうんです。もう、テレパシーで伝えあう元のピュアな関係には戻れない!んですね。笑

 

まとめ

  • 言語だけがコミュニケーションツールではない
  • 言語との出会いの瞬間は、感情にフォーカスできる貴重な時期
  • 音から音楽、音楽から音楽+クイズ、そして言語に変わる
  • 言語は勉強ではない

まったく言葉が通じない時期を「超たのしい!」と思えたなら、ぜひ他の言語にも挑戦してほしいです。きっとスムーズに習得していけるのではないかなと思いますよ。

少しでも皆さんのお役に立てれば本当にうれしいです。

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