辞書の日本語には注意が必要 -had better- 英語を正しく使うコツ

HAD BETTER

皆さんはhad betterという表現を使いますか。私はhad betterを高校一年くらいで習ったと記憶しています。そして教科書には意味として”~したほうがいい”とありました。

まだその頃は英語が何なのか、外国語とはどういうものか、言葉を変換するときに気を付けるポイントは何なのか、などまったくわかっていなかったですし、意識すらありませんでした。教科書に書いてある訳語そのまま、深く考えずにで暗記していました。

 

イギリスでの出来事

その頃、たまたま機会があってイギリスに数週間だけホームステイをしました。特に英語が好きだったわけでもなく、むしろ苦手だったのですが、何かの流れで夏休みの間イギリスに島流しされました。ホームステイ先の方は元教師という素晴らしい年配女性でした。私は外国も英語もはじめてでしたので、頭をフル回転させて学校で習ったことだけを駆使してたどたどしい会話をしていました。おうちの方は元教師ということもあり、とても根気よく私の話を聞いて下さいました。わずか数週間ではありましたが英語は日々ぐんぐんと聞き取れるようになり、あっという間に生活になじむことができ、16歳の私は「今まで生きてきた中で一番しあわせ!」と感じていました。若いって素晴らしいですね。。。

 

にがい思い出

ある日、おうちの方と何かの会話をしていました。内容は覚えていないのですが、~したほうがいいですね、という優しい軽い感じで伝えるつもりで”had better”を使いました。すると、とても寛容で優しい元教師の女性の表情がみるみるこわばり、明らかに私が怒らせてしまったと気が付きました。幸いまだやわらかい頭を持っていた当時の私はすぐに「何か失礼なことを言ってしまったか?表現が間違っていたか?」と質問できたため誤解は解けました。おうちの方も丁寧に説明して下さり、had betterはbetter という単語が入っているけれど比較の意味や、~したほうがいいというニュアンスはあまり無く、~しないと大変なことになり、困ることになる、という若干きつめの言い方だとわかりました。そういうときはshouldを使えばいいとのことでした。教科書にあったshouldの訳は”~すべきである”とありました。当時の私には、~すべきである、という言葉のほうがきつく上から目線のような印象をもっていましたので意外でしたが、言語と訳の難しさについて考えるよいきっかけとなりました。

 

災い転じて、、、

教科書に記載されていたわずか一つの日本語訳(~したほうがいい)を自分のイメージだけで理解して、安易にそのまま使っていたことがそもそも間違いだとわかりました。日本語で~したほうがいい、といっても様々なニュアンスが想定できますよね。異なる言語を正しく翻訳するには、表面だけではなく本当の意味を深く理解することが必要でした。さらに、「日本の英語の教科書は間違っているわね」というおうちの方の言葉に、教科書が完璧とは限らないんだ!と気づかされ、なんでも鵜呑みにしていた16歳の私には目からうろこのような経験となりました。

 

日本語訳にピッタリはない

ご存じのとおり、よほどの単純な名詞でないかぎり、なかなか英語の意味をピッタリと表せる日本語は少ないですね。英語と日本語の場合とくに言語の特徴が違いすぎますから、一言では置き換えられないことは多いです。パッと見て日本語に置き換え辛い単語などでしたらむしろ問題はないかもしれません。例えば、I miss you. のmissは日本語にピッタリの単語はないですし、「どうぞよろしくお願いします。」にピッタリの英語がないこともわかります。

 

パッと見てスムーズな単語には注意が必要

私の苦い思い出の場合の~したほうがよい、had better, should のように、訳の字面だけみると日本語にスムーズに入れられるような単語には特に注意が必要です。やはり、辞書の例文を最後まで読んで、どのような場面でどのようなニュアンスで使われているのかというイメージを十分につかんでから使わないととても危険です。一番よいのは、英英辞典で例文を確認することです。今はGoogleという素晴らしいものがありますので、検索をしてネイティブの多くの生きた例文がたくさん見つかると思います。大人になった今、仮に間違った用法をしても、失礼なことを言っても相手が露骨な反応を見せるとは思いません。多少、眉間にしわがよるかもしれませんが、それに気づけるとも限らないですし、、、やはり普段から正しく理解していこうという気持ちを持っているとコツコツ積み重なってより良い英語が話せるのかな、と思います。

少しでも皆さんのお役に立てれば本当にうれしいです。

 

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